年越しそばには「へぎそば」を


新潟県魚沼地方の郷土の味といえば、へぎそば。ツルツルと喉越しが良く、私の大好物のひとつです。
へぎそばが食べたくなると訪れるのが、燕三条駅のほど近くにある「小嶋屋総本店」さんです。

一人前じゃ足りない! 滑らかな喉越しに、ついつい食べ過ぎてしまいます

へぎそばの定義、なんていうと大げさですが、その特徴は、
①「へぎ」という入れ物に入っていること
②蕎麦のつなぎに布海苔が使われていること
のふたつ。
「へぎ」は「剥ぎ」を語源としていて、剥ぎ板で作った四角い器をさします。この器に、ゆでたてのそばを手繰って丸く盛り付けます。一口サイズで食べやすくて、大盛りを頼んで何人かでシェアしやすいのも好きな理由です。

そして蕎麦のつなぎに小麦粉ではなく布海苔を使うことで、独特の喉越しと歯ごたえが生まれています。
実はこの布海苔を使うというアイディアは、魚沼のもう一つの名物である織物からヒントを得たのだそう。越後上布や塩沢つむぎなど、美しい織物の産地である魚沼。布海苔はその織物の糸をピンと張るための糊付けに使われていたと言います。海藻ですから食べ物に使っても問題ないわけですが、これを最初に閃いたという小嶋屋総本店初代の小林重太郎氏、リスペクトです。

小嶋屋さんでは定食メニューも豊富。新潟名物のタレカツ丼のセットなら満足度120%

この布海苔を使うことでコシが生まれ、丸く綺麗な手繰り盛りができるそうです。その姿は束ねた糸のようにも、織物の美しい目のようにも見えます。織物の産地であってこその、へぎそばなんですね。
考えてみると、素麺も織物と関連があるので、美味しい麺のしなやかでつややかな姿は、織物と通づるところがあるのかもしれません。
弥彦にお越しの際は足を延ばして、ぜひ魚沼で本場のへぎそばを食べて織物に触れてみてはいかがでしょうか?

小嶋屋さんに飾られていた「そば振舞」の額。毎月お蕎麦を食べる風習があったんですね

さて、我が家では年越しそばもへぎそばが定番。
大晦日が待ち遠しくなってきました。
みなさまも美味しいお蕎麦を食べて、良いお年をお迎えくださいね。